旅行・地域

あの頃

全然触れようしなければ
触れなくてもいい話題であり
関係ないと言えば関係ないことだ。

でも 毎朝電車で見かける
卒業アルバムの写真は
毎朝
放課後に眺めていた
教室の窓からの八甲田山を想い出させるんだ。


あの頃。


「芸術とは自分への絶望と
 憧れから始まるんだ」

確か、映画『あの頃ペニー・レインと』のなかで
こんなセリフがあった。

自分への絶望は辛い。
でもそれを経験しなければ
人間ではない。

そこから自分の人生が始まるんだ。
何もかも失くしたと思ったときから、
自分の手で作り上げなきゃと気づいたその時から
人生が変わるんだ。


秋葉原の殺人鬼が
挫折した高校は、私の出身校である。
学年こそ違うが、それでも一年同じ校舎内を歩いていた。

もう今はない、旧校舎の長い廊下。
広い校庭。
ブラスバンドの練習の音。

どこかで誰かが笑っていた。

夕焼けを眺めたテニスコート、屋上、
がらんとした放課後の教室で
暗くなるまで話をしていた仲間たち。

自分の価値を勉強で計ることは
中学のときにとっくに諦めていた私は
高校に入って下の成績になっても
自分が揺らぐことはなかった。
ガッカリしても落ち込んでも、
それが自分の価値だとは思わなかった。

親もそれを強制することなく
温かく見守ってくれていた。
友だちも「やるときにやりゃあいいじゃん」てなスタンスだった。
テスト前に「気分転換」と言ってはカラオケに行き、
テスト後に「ご褒美」と言ってはカラオケに行った。

それでも今みんなそれぞれの人生を頑張って歩いている。
笑いながら泣きながら怒りながら
絶望しながら希望を抱きながら
未来のこともわからずに。

順位のつくもので
自分の価値を保とうとしていたら
いつかは行き止まりになる。

ひとつの世界で絶望して
ダメだと思ったら
逃げることも
その世界を捨てる勇気も必要だ。
怖くて惨めでふがいなくて「みっともない」「恥ずかしい」
「努力が足りないんだ」「お前は逃げているんだ」
と言われても。

「あんたに何がわかるんだ」
って
そのときこそ逆切れしろ。

自分を守れ。

あの頃。

どこかですれ違っていたかもしれない。

でも
きっと救えなかった。この未来から。
ただもし戻れるなら
「逃げろ」って言う。
本当に 本当に
望めば 努力さえすれば
何でもできるという社会の押し付けから
逃げろ って
どこまでもどこまでも走って
本当に自由になれって
叫ぶから。

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